鍼灸治療

当診療所で鍼灸治療をする賀偉をご紹介します。

賀 偉(精誠堂鍼灸治療院 院長)

賀 偉

ごあいさつ
村林クリニックさんで鍼灸治療をしています賀偉です。

鍼はたいていの病気に効きます。私の経験では「効かないジャンルはない」 といってもいいくらいです。

経歴

1987年、北京中医学院(現・北京中医薬大学)卒業。国宝級の鍼灸の名手である父・賀普仁に師事し、89年来日。東京医科歯科大学大学院で漢方薬を専攻し、早稲田医療専門学校を卒業。厚生省(現・厚生労働省)の鍼灸資格取得。

2001年、精誠堂鍼灸治療院を開院。中国鍼灸学会会員。北京鍼灸三通法研究会理事。日本鍼灸三通法研究会会長。

鍼治療に使う鍼

鍼治療に使う鍼は通常の場合、長さは4センチと5センチのものが多く、太さは0.14ミリから0.24ミリくらいまでです。

打つのは普通1ミリ程度ですが、場合によっては長い鍼を使って、十数センチ打つこともあります。皮膚に対して直角に打ったり(直刺)、皮膚面に対して約30度~160度斜めに打ったり(斜刺)、ほとんど水平に打つ(横刺)場合もあります。

材質は金や銀もありますが、一般的に使われるのは使い捨てのステンレス製です。「ハリ」と聞くだけで、裁縫用の針や注射針を思い浮かべてしまう人もいるかもしれませんが、治療用の鍼はそれよりかなり細く、「針で刺したような痛み」はまずありませんし、まったく別物です。

鍼の打ち方

施術者は患者さんに痛みを与えないよう、鍼を打つ速度や強さにとても気を配りますから、あまり心配する必要はありません。

私自身は、小さいころから、中医学の権威であった父の仕事を間近で見ながら、痛くない打ち方を体得しました。右手で鍼をつまみ、躊躇なくスッと打つ。それが父の打ち方です。どこにも力が入っていないのに、鍼はまるで吸い込まれるように、スーツと皮膚の奥深くに入っていきます。

ときには長い鍼が患者さんのくるぶしを貫通したり、首の根元から体の奥深くに挿入されることもあるのですが、患者さんは最初から最後まで、のんびり寝ているのです。「途中で引っかかるような打ち方はいけない。ツボの中心に当たっていれば、鍼はスーッと滑らかに、自然に入っていく。すると、患者さんはまったく痛みを感じない。ツボは目に見えないけれど、慣れると見えるようになる。”ここに打ってください”と、目に飛び込んでくるんだよ」治療の様子を食い入るように見つめる私に向かって、父はそう言いました。父から鍼の極意を習得したお蔭でしょうか、私の治療院にくる患者さんはみな、鍼を打っている間中ずっと、ベッドで安らかに横たわっています。